悲鳴

27/32

57人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
純也の言葉にあたしはうなづいた。 あたしも一瞬、その噂が関係しているのではないかと考えていた。 でも、アザを確認できていないから、確証がなかったのだ。 「服の下とかに出てきてるのかもしれない」 香は真剣な表情だ。 本気であの都市伝説のせいだと考えいるようだ。 もっと、なにか人間を豹変させるウイルスが原因だと考えたほうが合理的な気はするけれど。 「アザの確認なんてできないよ」 雪が小さな声で言った。 相手は同級生といえどすでに何人も殺している殺人鬼だ。 雪の言うとおり、アザの確認なんてできるわけがない。 会話だって通じなくなっている相手なのだから。 「それなら、とにかく都市伝説について調べてみようか」 香がそう言ってスマホを取り出した。 ひとまずこの教室は安全そうなので、あたしたちは香の周りに集まった。 スマホの検索画面にこの町の名前と、昔起こった大量殺人事件について記入する。 検索をしてみると何万件という記事がヒットした。 本物の新聞記事から、書籍や映画情報。
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加