悲鳴

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むしろその体を踏みつけて逃げ惑う。 そしてついに灰色の目をした男子生徒に追いつかれてしまったのだ。 「い……いや……」 女子生徒は四つんばいになって必死で逃げる。 しかし、さっき踏みつけられた足が思うように動かない。 立ち上がることすらできないまま、男子生徒が後ろから馬乗りになった。 容赦なく髪の毛がつかまれ、無理やり額を床に打ち付けられた。 「ギャア!!」 短い悲鳴が聞こえる。 間髪いれず髪を引っ張られて頭を持ち上げられる。 そしてまた床に打ち付けられた。 額から血がにじんでいる。 やめて……! そう言おうとして、自分の手で口をふさいだ。 今ここにいることがバレちゃいけない。 バレで教室内に入ってこられたら、全員殺されてしまうかもしれない! 「誰か……助けて……」 何度も繰り返し頭を打ち付けられた女子生徒はロレツが回らなくなってきている。 目もうつろで、額から流れ出した血が顔面を赤く染める。 最後に男子生徒は女子生徒の頭を高く持ち上げると、力をこめて床に打ち付けた。
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