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偶然に志望校が同じで、一緒に勉強をしはじめたのがきっかけだった。
それまではクラスメートの1人としてしか認識していなかったけれど、放課後図書館で勉強したり、休日にも互いのわからない勉強を教えあったりしているうちに、自然と距離は近づいて行った。
「でも、2人って理想的なカップルだよね」
雪がおにぎりを食べ終えてそう言った。
「そうか?」
純也は首をかしげている。
「そうだよ。受験勉強がきっかけなんて羨ましい」
雪は本当に羨ましそうな表情を浮かべている。
「雪にはあたしがいるじゃん!」
そう言って香が雪の腕に自分の腕を絡めた。
雪が嬉しそうに笑って「香が男の子なら絶対に付き合ってたのになぁ」とはしゃぐ。
そうなったら本当にお似合いのカップルだろうなぁと考えて、あたしはほほえましく感じて2人を見つめた。
「遥、今日の放課後空いてる?」
じゃれあっている2人を見ていたとき、純也が声をかけてきた。
「放課後? うん、空いてるよ」
部活やバイトなどをしていないあたしはだいたい常に暇をもてあましている。
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