57人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
地元の高校で大量殺人があったということで、友人も沢山死んでしまったらしい。
聞いた話を思い出した純也がその場で頭を抱えた。
「どうしてこんな大切な話、忘れてたんだろう!」
記事で確認してみても、間違いなく今回と同じ事件だと言うことができる。
両親の世代でも、こうしてF君が出現したということだ。
「どうして20年も前なんだろう」
あたしは疑問をそのまま口にした。
20年に1度、定期的に出現するのか。
それには意味があるのか。
まだわからないことだらけだ。
「前にも巻き込まれた人がいるなら、どうやって逃げ出したか聞いてみればいいじゃん!」
そう言ったのは香だった。
純也はうなづいた。
「それも聞いたんだけど、さすがにそこまではわからないって言われた。だけど、気になることを言ってた」
「それってなに?」
あたしは純也に聞いた。
「殺人鬼になった生徒たちは耳たぶを切られていたんだって」
「耳たぶを……?」
その瞬間、右耳にアザが出現するという記事を思い出した。
「それって、F君と同じアザを切り取ったってこと?」
最初のコメントを投稿しよう!