両親

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なによりも……「みんなの耳たぶを切り落とすなんて、できるのかな」 あたしは自分の呟きに絶望を感じた。 相手は殺人鬼が乗り移っているといえど、同級生たちだ。 つい数時間前まで同じ教室や学校内にいた生徒たちを切り付けるなんて、安易じゃなかった。 みんなが考え込んで黙り込んだときだった。 また廊下が騒がしくなって息を飲んだ。 しっかりと施錠されているドアへ視線を向ける。 鍵がかかっているとわかっていても、怖くて体がこわばってしまう。 純也が立ち上がって廊下の様子を確認しようとしたおの時だった。 「助けてくれ!!」 そんな悲鳴と共にドアが激しくノックされたのだ。 ハッと息を飲んで純也が立ち止まる。 今の声、気息覚えがあった! そう思ったとき動いていたのは雪だった。 ずっとうずくまって震えていた雪が勢い欲立ち上がり、ドアへ向けて走ったのだ。 「小村君!?」 雪の言葉に、さっきの声が小村君のものであると気がついた。 メガネをかけて、博識そうな彼の顔を思い出す。 しかし、雪がドアに近づくのを防ぐように純也が立ちはだかっていた。
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