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そろそろなにか初めて学生生活を充実させたいと考えていたところだ。
純也はサッカー部に入部しているから、こうして予定を聞いてくることは珍しかった。
「今日部活休みなんだ。どこか行くか?」
「え、本当に!?」
純也の言葉にパッと表情がほころんでいく。
こうして放課後デートに誘ってくれることは珍しい。
部活はもちろん、休日も自主練習などを行っている純也はなかなかに多忙なのだ。
時折受験勉強中のことを思い出して、懐かしくなっていたところだった。
「どこに行きたい?」
「この前できたスイーツ屋さんも気になるし。駅前のショップも気になる! あ、でも純也と2人ならカラオケとかでもいいよねぇ」
次々と浮かんでくる楽しそうなことを、全部口に出していく。
すると聞いていた純也がプッと噴出して笑い出した。
「遥、行きたい場所多すぎだろ」
「だ、だって……」
笑われたことを恥ずかしく感じてうつむいた。
純也と放課後デートできると思うと嬉しくて、つい色々な場所が浮かんできてしまうのだ。
「まぁ、放課後までゆっくり考えなよ」
「うん、そうする」
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