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純也の頬に冷や汗が流れていく。
軽く顔を出して廊下を確認してみると、10体の殺人鬼が殺す相手を探してさまよっている状態だった。
さすがに10人もの殺人鬼を相手にすることはできない。
1人を攻撃している間に、他の殺人鬼に殺されてしまうかもしれない。
また教室に鍵をかけて立てこもろうか。
そう考えたときだった。
視界の端で何かが動くのが見えて、ハッと息を飲んで振り向いた。
教室内で倒れていた生徒がユラリと起き上がったのだ。
「大丈夫!?」
すぐに駆け寄ろうとして、様子がおかしなことに気がついた。
その生徒は片腕がもぎ取られていた。
その状態で声もあげずに立ち上がり、こちらを見つめているのだ。
「え……?」
疑問の声を上げたとき、生徒の目が灰色であることがわかった。
殺人鬼が感染してる!
気がつくと同時に純也が相手めがけて椅子を振り下ろした。
生徒の体はグラリと揺れて横倒しに倒れこむ。
これ、どういうこと?
普通腕が片方なかったら動けないよね?
嫌な予感がしてまた汗があふれだす。
しかし、考えている暇はない。
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