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「もし、本当にそういうことが起きたらどうする?」
その言葉にあたしはまじまじと純也を見つめた。
純也は先にクレープを食べ終えて、コーヒーを飲んでいる。
「その時は、逃げるしかないよね?」
もし誰かが殺人鬼になって回りの人間を襲い始めたら、あたしは被害者にならないように逃げるしかない。
すると純也がニッコリと微笑んで「その時は俺が助けてやる」と胸を張った。
その様子に目をパチクリさせる。
ついで頬が熱くなっていくのを感じた。
「な、なに言ってるの純也」
慌ててそう言い、残りのクレープを口にほお張る。
こんな場所でそんなことを言われて、恥ずかしくないわけがない。
「そのくらいの気持ちでいるってことだよ」
純也は気を取り直すように言った。
「え?」
「俺は、周りに殺人鬼がいても逃げ出さずに遥を助ける。だから遥は、安心して俺の隣にいて?」
突然の恥ずかしい告白に、あたしは返事もできなくなってうつむいてしまった。
だって、ここはスイーツ屋で周りには同年代くらいの子が沢山いる。
だけど、純也の気持ちは嬉しかった。
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