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学校内がこれほど静かなのはみんな外に出て行ってしまったからかもしれない。
廊下の窓から外を確認してみると、道路に倒れこんでいる人々の姿が見えた。
みんな血でぬれている。
どのくらいの人たちが犠牲になったんだろう……。
そう考えていると、調理室にたどり着いた。
そのドアにも血がついていて、開けるのを一瞬躊躇する。
2人でモップを握り直して一気にドアを開けた。
調理室の中はシンと静まりかえっていた。
しかし何人かの生徒がここでやりあったようで、床にも壁にも血痕が残っている。
死体がないだけマシだと感じられた。
「包丁が何本かなくなってるみたいだ」
調理室の奥にある棚を確認して純也が言った。
「本当だね」
武器を持っているのが敵なのか味方なのかわからない。
あたしたちは包丁をそれぞれ手に持った。
これを使うことができるかどうかわからないけれど、とにかく使えそうなものを身に着けておくと安心できた。
あたしは包丁をケースに入れ、そのままポケットに入れた。
小ぶりな包丁が残っていて良かった。
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