武器

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さっきの彼女のように自我取り戻したのなら、その語殺す必要はない。 ということは、殺した後に耳を切り取ったということになる。 「まさか、殺人鬼が死んでも倍の感染は止まらないとか?」 あたしはハッと息を吸い込んで言った。 純也が真剣な表情でうなづく。 「そう考えるのが正しい気がするよな」 「ってことは? 廊下で死んでた生徒たちの耳も切り取っていかないといけないってこと!?」 一体どれだけの人数になるだろう。 考えただけで全身から力が抜けていくようだった。 いくら相手が死体でも、耐えられる自信もなかった。 どうにかみんなに呼びかけて手伝ってもらう方法があればいいけれど……。 そう思ったとき、不意にあることがひらめいてあたしは顔を上げた。 教室の黒板の上を確認する。 そこにはスピーカーが取り付けられているのだ。 もちろん、それは各教室や廊下にも設置されている。 「純也、校内放送を使って呼びかけたらどうかな!?」 今正気でいる生徒たちが結託すれば、感染を止めることができるかもしれない。 「そうだな。いい案だと思う」
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