放送室

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「大丈夫だよ。早く行かなきゃね」 あたしは大きく息を吸い込み、また歩き出したのだった。 ☆☆☆ 2階から3階へあがる階段には死体はなかった。 しかし、相変わらずあちこちに血痕が残ってて、ここが凄惨な現場になったことが理解できた。 3階まで上がりきったとき、足音が聞こえてきてあたしたちは足を止めた。 顔だけ廊下に出して確認すると、1人の男子生徒が複数の殺人鬼たちに追われているのが見えた。 「誰か助けてくれ!」 叫びながらこちらへ向けて走ってくる。 咄嗟に階段を駆け下りて逃げようかと思ったが、男子生徒は手前の教室に逃げ込んだ。 しかし、ドアを閉めるタイミングが遅れた。 殺人鬼たちがいっせいにドアに手を伸ばし、無理やり開けられる。 「うわぁ!!」 教室内から悲鳴が聞こえてきたかと思った次の瞬間、殺人鬼たちが次々に教室へとなだれ込んで行った。 その人数はザッと見ただけでも20人は超えている。 あたしは手を口に当てて悲鳴をこらえた。 学校内残っている殺人鬼たちはここにいたのだ。 「今のうちに行くぞ」 純也が廊下に飛び出す。
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