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あたしは勇気を出してその後に続いた。
開け放たれた教室を通りすぎる瞬間、どうしても気になって視線を向けていまった。
その途端、床をはいずって逃げる男子生徒の姿が見えた。
すでに攻撃を受けているのか、右足にナイフが突き立てられている。
男子生徒がはいずった後には真新しい血痕が残っていっている。
あたしは一瞬キツク目を閉じて、そして視線を前に戻して走り出したのだった。
放送室に到着すると、そのドアは開いていた。
中に入ろうとした純也が一瞬足を止める。
放送室の中を確認してみると、1人の女子生徒が倒れているのが見えた。
マイクが床に落下していて、それに手を伸ばした格好で首から血を流して、息絶えているのだ。
あたしと純也は目を見交わせてまず女子生徒の耳を確認した。
右耳にアザはない。
次に手首で脈を測る。
こちらも確認できなかった。
できれば廊下に出したいと思ったが、そんな悠長なことをしている時間もなかった。
さっきの殺人鬼たちがいつこっちに気がついて襲ってくるかもわからないのだ。
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