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このまま時間が止まってしまえばいいのに……。
そう思っても、現実は非情だ。
廊下から人の声が聞こえてきて純也はあたしから身を話した。
ドアに近づき、廊下の様子を伺う。
人の声は聞こえてくるけれど、ちゃんとした会話がなれていることがわかった。
廊下にいるのは殺人鬼ではないということだ。
少し安心しながらカギを開け、廊下に出た。
そこにいたのは5人の男子生徒たちだった。
なにかを取り囲んでいる。
「なにしてるんですか?」
先輩かもしれないので、純也が敬語で声をかけた。
すると1人が振り向いた。
手には血のついたバッドが握り締められている。
「さっきの放送お前らか? いい情報をサンキューな」
そういって口角をあげて笑う様子が、なんだか嫌な雰囲気をかもし出していた。
あたしはつい警戒してモップを強く握り締める。
相手は普通の人間だから攻撃する気はないけれど……。
そう思っていると、5人が取り囲んでいたものの正体がわかった。
真ん中でうずくまっているのは男子生徒だったのだ。
その目は灰色になっている。
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