放送室

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さっきからさんざん暴行を受けていたようで、顔は血まみれになっている。 「あの、放送を聞いていたならアザを切り取ればいいって知っていますよね?」 あたしは慌ててそう言った。 しかし、5人の男子生徒たちは殴る蹴るの暴行を続けている。 「知ってるよ。でもこいつ殺人鬼だし。なにしたって平気だろ?」 信じられないことを言ったかと思うと、無抵抗な生徒へ向けてバッドを振り下ろしたのだ。 それは男子生徒の頭部にぶつかり、骨が折れる音が響いた。 その瞬間他の4人が「ヒューッ!」とはやし立てるような雄たけびを上げた。 「心配しなくても、殺したあとちゃんと耳を切り取ってやるよ」 唖然として見つめるあたしにそう言い、男子生徒は再びバッドを振り上げたのだった。 「遥。行こう」 何を言っても聞く耳を持ってもらえないと判断したのか、純也があたしの手を掴んで歩き出した。 あたしはグッと下唇をかみ締める。 確かに相手は殺人鬼だ。 さっきの生徒だって、すでに人を殺しているかもしれない。 だけど彼は元に戻ることができるのだ。
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