妹さん

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すべてを聞き終えた後、森安さんはゆっくりと口を開いた。 「星型のアザですね?」 「そうよ。そんなアザ、今ではもう珍しくもないのかもしれない。だけど当時はアザやこぶのある子供は異質なものとして扱われていた」 森安さんは当時を思い出すように言葉をつむいでいく。 俺はゴクリと唾を飲み込んで続きに耳を傾けた。 「悪魔の子とか、鬼の子って呼ばれて意味もなく虐げられるような時代があったの」 俺はうなづいた。 そのくらいの知識なら、昔の物語などを読んで知っていた。 「それは兄にも降りかかった。生まれてすぐにアザに気がついた両親は、兄をあまり外へは出さなかった。差別されて、つらい思いをするのは兄だから」 それは親の優しさのひとつだったのだろう。 「兄はほとんど学校へ行くこともなく、家の中で過ごしたの。昔の家の、最奥に座敷牢のような場所があったのよ」 「座敷牢?」 初めて聞く単語だった。
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