好きなこと

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俺が使っている部屋は6畳で同い年の男の子と共有していた。 同い年ということですぐに打ち解けることはできたけれど、それでも俺の心の中には常に昔の友人たちとの思い出があった。 普通に引っ越して離れ離れになったとかなら、まだ納得できたかもしれない。 でも、感染して灰色の目になった友人たちを思い出すと、どうしてもやるせない気分になる。 「俺がしたいことは……」 2段ベッドの下から聞こえてくる寝息を聞きながら呟く。 新しく学校へ行くこと? 就職すること? どちらも違う。 前へ進むことも大切だと思う。 だけど隣街の感染はいまだに止まっていないのだ。 連日のニュース番組を聞いて吐くほどのストレスを感じている俺が、真っ直ぐ前に歩けるはずがない。 じゃあ、どうすればいい? どうすれば俺は前を向ける? 窓から差し込む月明かりを見て、ゴクリと唾を飲み込んだ。 「事件を解決すること」 小さく呟いてみると全身の毛が逆立った。 でもそれしか方法はない。 もう1度、あの恐怖へ立ち向かう勇気はあるのか? 隣町への入り口はすべて封鎖されている。
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