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ナイフが襲ってくると思っていた俺は、その音にはじかれたようにして両手で自分の顔を覆っていた。
しかし、腕の隙間から桃田さんの体が横倒しになるのを見た。
ナイフが握られていた手からは力が抜けて、ナイフは地面に転がった。
え……？
なにが起こっているのかわからないまま腕を下ろし、上半身を起こした。
そこで墓地へと続く細い道から複数の警察が出てくるのが見えたのだ。
「佐々野君！」
聞きなれた声に視線を向けると、警察の後ろから森安さんがかけてくるのが見えた。
「森安さん？」
俺は呆然として森安さんへ視線を向ける。
一体、なにがどうなっているんだ？
頭がついていかない中、警察は桃田さんを取り押さえたのだった。
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