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僕は部屋に戻って声を殺してベッドにうつ伏せになり泣いた。
涙と鼻水ですぐにあたりは水浸しになった。
今日も上履きが無くなった。
ゴミ箱に棄てられていた。それを無言で拾い上げ、砂ぼこりにまみれたその上履きを履いて夕闇が迫る教室から出た。
「あれ?沢田、まだ残ってたのか?何してた?」
担任にみつかった。厄介だなめんどくさい。
「いえ、なんでもないです」
「いや、なんでもないことないだろ。 お前ら中2ともなれば、悩み多いだろ。何かあるなら相談しろ」
いや、お前なんかに言ったところでどうなった?
「あ、また上履き隠されたのか? お前、友達をとにかくつくれよ。そしたらいじめのターゲットになんてならんから。どうだ?先生がクラスのーーー」
「結構です! もうほんとになにもしないでください!」
「なんだと?」
僕はその場から走り逃げるように離れた。
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