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“お前は、サークルとか入らないの“
『…うーん、良いかな。ああいうの、交際費が割とかかるらしいし』
“相変わらず冷めてんな“
『うるさいな。それならお金貯めて、大学の間に一回は留学とかしたい』
“……どっか良いとこあった?“
『交換留学制度もあって、割と安く行けそうだった。ヨーロッパも良いしアメリカも良いし、オーストラリアも良いよね』
“オーストラリア一択だろ“
私は、試験当日に熱を出したり、合格発表の日にはサーバーのパンクに見舞われたりしながらも、無事に第一志望の大学に入学した。文学部の英文科なので、オリエンテーションの段階から割と留学に関する案内を目にする機会が多い。
男が「オーストラリア」を即答してきたことが意外で、思わずベッドに横たわっていた姿勢から上体を起こしてしまった。
『何で一択?いや、オーストラリアは凄く行ってみたいけど』
“お前、オーストラリアの魅力に気づいてないの?まだまだだな“
『…一芭、行ったことあったっけ』
“全く無い“
『なんなの』
“いつまで起きてんだ、寝るぞ“
もっと理由を聞きたかったのに、最後は理不尽過ぎる言葉と共に少し笑いながら誤魔化されてしまった。
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