意地っ張り女の、"ただの"突撃おうち訪問

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「……あんたら見てると眩しくてたまんないわ」 「え?」 「ねえ景衣、ひー君のとこに泊まる気?」 「、」 軽く尋ねられ、顔にどんどん熱が集まっていく。会いたい気持ちが先行して、その部分はあまり考えて無かった。出来れば、日帰りじゃなくて一泊分は側に居たい。でも、こんな急に朝早くから出かけて、家族に怪しまれる気しかしない。 「私今日、ライブ遠征して友達と泊まんの。その相手、景衣ってことにしたげる。私もそろそろ出るつもりだったから、どうせだし駅まで送るわ。駐車場集合ね」 「……い、良いの?」 「景衣がひー君の周りをウロウロし始めた時は、なんだこのガキって思ってたけど」 「あ、はい。存じ上げてます」 一芭と遊ぶようになった頃、姉である莉々ちゃんはロングの長い髪をド派手な金髪に綺麗に染めていた。それなのに重度のブラコンで「お前か、ひー君を誘惑してんのは」と最初から敵認定されていた自覚はあった。 「…私が脅してもひー君から離れないし。なんか管理人に、ゲンコツ貰いに行ったりしたってお母さんから聞いて、なかなか見込みのある馬鹿だと思っちゃったんだよな」 最終的に貶されて終わった。「はあ」と乾いた返事を返すと、また彼女は一芭によく似た瞳の細め方を見せる。 「あと、私は弟が好きなの。だから弟が喜ぶかなって思うことはしょーがないから、協力するしかない」 「……直ぐ用意してくる…!」 勢いよく宣言して、エレベーターを見やるとやっぱりこういう肝心な時に、最上階で滞在している。 外階段に繋がるドアを開ける私の後ろで、また莉々ちゃんが笑い声が聞こえていた。
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