遺影の家

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 家の大規模な解体が始まった初日。  現場責任者が仏間に入って来て、作業員に指示した。  「その壁に掛かっている遺影を全部、取り外して。親戚の方に渡すから」  「わかりました」  作業員は、遺影を一枚一枚丁寧に取り外し、最後の一枚を手にした時、思わずつぶやいた。  「まだ若いのにねえ」  微笑んでいるアキラだった。
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