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続く俺杯も校長が勝ち取った。
「わし、わし、わしにょ瑠璃ちゃんへのゴホッゴホッウェーッホッうぁぁいをゼーゼーゼーゼーゼーゼーハーハーハーハーハーハー見たぁぁぁぁ!!!!」
「校長……怖い……」
「瑠璃くん、一応校長もお客さんなんだから……」
なんか香多くんに諭されたんだけど!?
最後は良くん杯。これを勝ち取ったら校長はにょたチョコ男子等身大フィギュアをコンプリートすることになる。会場はこれ以上ないほど静まり返っている。いや伊織先生主宰のイベントでこんな盛り上がらないことなかったんじゃない? 伊織先生自身も苦い顔をしている。
もちろん校長は良くん杯にも参加するが、スタート地点でフラフラしていて今にも倒れそうだ。等身大フィギュアに命までかけるのか……。
「良ちゃんの……良ちゃんの……良ちゃんの……」
校長、マジ怖い。良くんも苦い顔してるじゃんね。本来ならにょたチョコ男子一番の人気者の等身大フィギュアで会場沸き立つはずなのに……。
「こほん。ではスタート!」
それでも参加者は多くて、今回もみんな動きにくそうだ。その中、校長が頭を抜ける。
「虎穴にいらずんばぁぁぁぁ虎子を得ぇぇぇぇず!!!!」
鬼気迫る校長の気迫。それを見守る女性陣は泣いている。怖くて仕方ないから。参加者はプールからどんどん上がって棄権する。とんでもなく怖いから。
結局校長が良くん杯を制した。
「見た……か………わ……しの……………良ちゃ……へのあ……い……を……………………」
良くんは泣いている。
「怖いよぉーーーー」
良くんの悲鳴を聞いて、校長はプールサイドでゆっくり目を閉じた。
待機していた救急車に校長とにょたチョコ男子モデル全員の等身大フィギュアを乗せて校長は消えた。
そのあと、伊織先生がマイクを手にする。
「みんな! やり直そっか!? 等身大フィギュアはまた作って自宅に届けてやるからさ!」
会場は沸いた。一人の妖怪の存在をなかったことにして。
九月後半に続くよーー♪
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