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おばあさん
真っ赤なりんごのような夕日が落ちる頃、
杉本凛は家までの道のりを、とぼとぼと歩いていた。
あーあ、とうとう振られちゃった…。
なんとなく、断られるんじゃないかと思ってたけど、ずっと好きだったから
やっぱかなしーな。
いっそ、言わなきゃ良かったかな~。
学校、行きたくないなー。
何で言ったんだろう…。
「うわあああ!だめだだめだ!ポジティブ思考!ポジティブ思考!!」
こうなるのわかってて、いっぱい考えたすえに自分で決めたことじゃん!
はやく忘れたい…、けど、毎日学校で顔合わせるのに無理だあ。
どうせなら大学受験で忙しくなる前に、と思ったけど、やっぱり卒業直前とかにしとくんだった…。
と、
チリンチリン…
風鈴の音がする。
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