透明な君へ

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『お姉さん。』 『…………………。』 『お姉さんってば。』 うるさい。 『こんなとこで寝てると、風邪引くよー?』 『…うるさい。誰よあんた。』 『んー?ただのナンパ?』 酔っ払って、気持ち悪くて、路地裏でうずくまっていたら、変なナンパ男に絡まれていた。 『うざい。消えて。』 『ねぇ、なんでそんなに落ち込んでんの? もしかしてフラレたばっか?』 『違う。』 透真が焼かれて、骨になっちゃっただけだ。 あんなに綺麗な子なのに。 まだ17歳なのに。 なんで…なんでよ! 『ねぇ、暇ならさ。俺と遊びに行かない?』 しつこい。 『だから、行かないって…』 顔を上げて、思わず息を飲んだ。 『…………透真?』
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