透明な君へ

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違う。 透真はこんな金髪じゃないし。 ピアスなんて開いてないし。 こんな個性派なシャツとか着ないし。 『透真?』 でも、笑い方が 透真と一緒だ。 『それってお姉さんの彼氏の名前?』 だから、彼氏じゃ… 『そいつのこと、そんなに好きだった?』 『………だいすき…だった。』 もっといっぱい出掛けたかった くだらないテレビ見て笑って たまにケンカして ジャンプ回し読みして 透真の好きなバカみたいに辛いカレー二人で食べて また、夢の国に遊びに行って………… 『お姉さん。ちょっとだけ、付き合ってよ。』 男の子は私の手を引っ張って、路地裏の更に奥 街灯もない裏通りの様なところを歩き出した。 正直、透真の居ないこの世界なんて 終わっちゃっても構わない。 そんな気分で、引っ張られるがままに歩いた。
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