迷い猫のネコ

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 3 「お葬式が終わっても見つからなかったね、あの子」 「家の中にはいなかったし、おばあちゃんの家の近くのどっかに隠れてるんだろうな」 「あなたが処分だなんだって言うから怖がって出てこないのよ」 「おばあちゃんも亡くなったんだ。あの世でいっしょにさせてやるのも情けのひとつってもんだろ」 「だからそういうのやめてってば」 「まあ、保健所うんぬんはともかく、近所で迷惑をかけなければいいがね」 「散歩中の犬が電柱へひっかけるのもやかましがる地区だからなあ」 「おばあちゃんが亡くなったことがわかればよそに行かないかしら」 「どうかな。わかるとは思えないし、犬と違って”家につく”ともいうし」 「鍵は全部締めてるんだから入りようがないでしょ」 「たしか生まれたときから室内飼いだったんだろ? この寒さでそのうちのたれ死ぬんじゃないか」 「もうっ。あなたはすぐそういうことを」 「まあ、見つからないんじゃしょうがないよね」 「だよね。わざと放したわけじゃないし」 「それより初七日のことだけど、来られるのは私とあなたとあなたと――」 ――――――――――――――――――――――――― おもしろかったら応援をぜひ。 本棚追加でにやにや、スター・スタンプで小躍り、ページコメントで狂喜乱舞、感想・レビューで失神して喜びます!
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