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僕は少し力を入れた。
ひねりながら。
指輪は第二関節をのり越える。
今。
僕たちはほんとうにやっていけるだろうか。
安全なベッドを抜け出して。
冷蔵庫を開け放って。
変わり続けることに耐えられるだろうか。
少なくとも今、確証がほしい。
そして志穂さんも、それがほしいのだとしたら。
もしも、そうなのだとしたら。
「志穂さんが、好きだ。」
何の抵抗もなく。
指輪は、僕の手の中に転がり込んだ。
《火曜日の発熱 完 》
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