溢れる忘れられぬ想い

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溢れる忘れられぬ想い

「おい!早く!もっと酒を持ってこい!」 「ですが…… お身体にさわります」 「はぁ? 私の命令が聞けぬのか?」 雪姫を失ってしまってから、気がついても もう、取り返しはつかなかった。 私は、やり切れない想いを酒に逃げて、邪魔をする者がいれば 処刑した。 自分自身で、大切なものを壊してしまったのに 壊してしまってから気がつくなど情けない。 毎日毎日、生き地獄にいるようだ…… ひとりになりたい───── 街を歩き崖の上にたどり着いた。 歩いていると自然にたどり着いたので、 崖下へ飛び降りるように言われているような 気分になる。 下から吹きつけてくる風で飛べるのではないかとも錯覚する。 このまま、落ちたら…… 雪姫に、 会えるだろうか……? 両手をひろげて崖下へ身を任せた。
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