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「それはありがたいんだけれど、もう3ヶ月は待っているよ。毎週毎週いろんな理由で他の人が先に行く。待たされている身にもなってよ」
もう3ヶ月、何にもしないで、できないで、ただ日々を送っているだけ。ほとんど喉を通らない飯をゆっくり入れて、あとは水だけはまだ飲めるので、それでつないでいる。
3ヶ月も死を待っていると、死なんてもう怖くもなんともないよ。ただ単にこの世からあの世への通過点、それは完璧達観しているけれど、でも実際は今日のような突発事故以外でも、相続やら、会社の監査がどうとか、そんな些末なこの世の都合で死の順番に飛越しが起きている。
「所詮いなくなるのだからいなくなった後の事なんて気にしてもどうにもならんでしょうがな」
私のように完璧寝たきりで、この世における存在感はゼロ。ただ誰もいない隙を見計らって魂だけをここに送って順番を聞いているだけ。この世の毎日は全く無為なんだからとっととあちら側に送って欲しいよ。
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