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告白
放課後になり、他の生徒がいなくなった教室に俺と八条院だけが残っていた。
「それにしても、ずいぶん変わったな。驚いたよ。すごく」
「中学の時ね、パパにわざと嫌われるように言われてたの。そんな外見で判断して去るような人間なら、付き合う必要はないって。だから汚い格好、体でいたの。ごめんなさい。臭かったでしょ?」
八条院は、イタズラのばれた子供のように可愛い舌をペロッと出した。
「あ、まぁ、臭かった。何回か、トイレで吐いたしな。なんかさぁ、話を聞いてると八条院のお父さん。かなり癖強めだなぁ」
「うん。パパは、少し変わってるの。…………ううん、少しじゃない……かな」
悲しそうに目を伏せた。これ以上、突っ込んで聞いたら可哀想だと思い、俺は言おうとしていた質問をいくつか飲み込んだ。
「やっぱり、優しい……。三年間、竹島君だけは、私に『臭い』って言わなかったし、去ることもなかった。私のせいでイジメられたりしたのに、一回もそのことで私を責めなかった。パパと賭けをしてたの。中学三年間、竹島君が私に酷いことしないようなら、私の好きにしていいって。秘密も全部話して良いって」
「秘密?」
秘密って、なんだ。
「私ね、実は」
生物兵器なんだーーーーーー
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