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プロローグ
「出てってよ」
それは虚空を描き、派手に砕けた。
掴んだのは花瓶!
あっと思うけど、もう遅い。
相手の状況も分からない。
でも
「ゴメンね、母さんを許して」
声に相手の無事を知る
#もうやめたら?#
耳元に声がした。
だまれ…
「お前の人生。母さんが背負うから」
それは私に言ってはならない言葉。
泣きすする声。
怯えの混ざる声。
こんなだから余計に研ぎ澄まされた!
私がこんなだから!
だからオロオロした相手に、なおも浴びせる怒声。
身体中が怒っていた。
頭で分かっても、声は止まらない。
攻撃する事しか出来ない。
泣いて謝る声。
それが嫌なのよ!
ハレモノに触る様に私に触れないで!
#あ〜あ、派手だ。今日は一段と派手だ#
声がする。
見えないのに!
いいえ、私は全てが見えない。
あの日、何もかも失った。
「嫌ああー!!」
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