Goodbye Happiness -24-

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15. " Feelings 気持ち"  私は師走に入り、後2週間でイブを迎えるという日に 息子を授かった。  前日の午後辺りから痛みが出始め、夕方からずっと、痛みが続く腰を 母親がさすり続けてくれた。そして陣痛からくる呻きと脂汗、息を吸ったり吐いたりと、暗い夜を潜り抜け、ようやく我が子は明け方産まれ落ちた。  待ちわびた瞬間を迎えた時の、何ともいえない気持ちが分かるだろうか。  知らなかった感情。 こんな気持ちを経験できるなんて・・ほんとに素晴らしい瞬間だった。 翌日の午後から父親と姉が面会に来てくれ『よかったね、よく頑張った。おめでとう』と労い、祝ってくれた。  名前は『亮』と決めていた。諸葛(亮)孔明にあやかって。  その日から3人は交代ごうたいで毎日のように面会に来て 顔を見せてくれた。  夫のいない子を産んだ心細い私だったけれど、3人が心細さを 埋めてくれた。  4日めに来た時、母が言った。  「景子、てっちゃんがね、亮が戸籍の上で非嫡出子にならないよう 認知だけじゃなくて、てっちゃんと婚姻届けを出さないかって。  形だけでいいからって。もうてっちゃんもややこしい病気になっちゃった し、この先結婚も考えてないから、自分の戸籍使って子供を嫡出子にしたら どうかって言ってくれてるのよ。ただ景子が再婚する時に×がひとつ 増えるから、よく考えて決めろって。いろいろてっちゃんが景子や 亮のこと考えてくれて有難いわね」  「おかあさん、てっちゃんにありがとうって言っといて。  もう少し考えてみるね」  「認知だけにするか、入籍するか、景子の気持ち次第だね」  「うん」  
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