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2.
◇Cold Stare 冷たい視線
すぐさま、弁護士と育がメールでのやり取りを検証している。
「脅されたってどういうことなの? 」
母が問う。
「フーム、確かに奥さんは何度も会うことを拒んでおられますね」
メールに目を通しながら弁護士が言った。
「君が一度目に一緒にホテルなんかに付いて行かなければ
脅されることもなかったわけだ! 」
そう言って育が私を責める。
「ごめんなさい、あの日はどうかしていたの。
いつもと同じくらいしかお酒は飲まなかったのに、すごく酔って
しまって……。
上司と一緒にホテルに入ったのも分かってたんだけど、頭が
朦朧としちゃってて、何で私突っぱねて帰って来なかったんだろうって、ずっと後悔してた。
だけど、どーして……? 」
「どうして、バレたかって?
君とヤツが一緒にホテルの部屋にいる写真が家に届いたんだよ。
誰が送りつけたか分かる?」
「私がこの間の誘いを断ったから、その嫌がらせだと思う」
「この上司の石野ってこと? 」
「うん、たぶん」
「で、景子さん、どーするつもり?
俺にどうやって詫び入れてくれンの? 」
夫の冷たい台詞と周囲の戸惑いのある冷ややかな視線に私は
耐え切れず、消えてなくなってしまいたいと思った。
「まぁ、どんなことをしてもらっても信頼は戻ってこないけどな」
育が吐き捨てるように言う。
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