Goodbye Happiness -24-

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3. ◇Regrets 後悔 「育くん、景子のしたことは謝ります。ほんとにごめんなさい」   母親が夫に謝罪した。  そして……  「わたしからもお詫びする、ほんとにすまない。  お金で済むことではないが500万円慰謝料として用意させてもらうよ。  これでなんとかこの先も、景子を君の側に置いてもらえないだろうか? この通り頼むよ」  父が彼に懇願した。 「お義父さんもお義母さんも顔を上げてください。  おふたりは何も悪くないのですから」 「育、私……育の言う通りにする。  できれば離婚はしたくないけど。  結婚前に貯蓄してあった預貯金を全部育に渡すわ。  これで許されるとは思わないけどお金でしかお詫びできないから」  両親は何も悪くないと言ってくれる夫に、私はできうる限りのお詫びを 申し出た。           ◇ ◇ ◇ ◇ ◇   呪文のように『ごめんなさい』としか言えない私に夫の育は 上司から2度目に会うことを強要され脅された時にどうして自分に 相談してくれなかったのかと怒った。  弁護士さんも2度目以降3回も会っているのでは、強姦罪に訴えても 流石に難しいだろうとおっしゃった。  ほんとに言われる通りで、なんで私は馬鹿なことをしてしまったの だろうと、酷く落ち込んだ。  このあと、夫は弁護士を通して上司の石野をコテンパンに やっつけたらしい。  らしいというのは、夫から直接聞いたわけではなく、弁護士と両親が 話していたのをたまたま耳ダンボで聞いたから。  有難いことに? 夫のお蔭で私は石野と相まみえることなく そして彼からの脅迫を二度と受けることもなく、憂いなく夫への贖罪の 日々を過ごせることになった。  
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