Goodbye Happiness -24-

1/26
前へ
/26ページ
次へ
山本 育  (やまもと いく)       27才     リーマン 山本 景子 (やまもと けいこ)     25才     パート事務  北原景子---  景子の旧姓 北原 哲  (きたはら てつ) 景子のまたいとこ 45才  リーマン    石野 さとみ(いしの さとみ)      32才     専業主婦   石野 剛  (いしの たけし)      35才     リーマン          ・・・・・・・・・・・・・ 1.❧ ◇ Kangaroo Court 吊し上げ  私、山本 景子の人生が25回目の誕生日でオワタ。  今日は私の誕生日で結婚してから3度目になる。  今年は例年になく夫の育が両家の両親を呼んでくれての、盛大な 誕生日パーティになるはずだった。  なのに、私が全てをぶち壊してしまった?  あまりに情けなくて……恐ろしくて……育の顔を見ることが できない。  夫の育が両家の両親に招集をかけたのは、私の誕生日祝いなんかの 為じゃなかった。  私と上司の不義密通を暴く為だったと、少し後から気付いた お間抜けな私。  皆の目の前のテーブルには、上司の石野とホテルに入るところ 出たところ、大きくて鮮明な写真が8枚ほど並べられていた。  育は弁護士も呼んでいたようで、準備万端だった。  「景子、何か言うことは? 」  私は夫の問いかけに成す術もなく、首を横に振った。  「ごめんなさい」  「景子ちゃん、どーして? 」  母が震える声で聞いてきた。  「お母さん、私、上司に脅されてたの。  本当はこんなこと続けたくはなかったンだけど」  「ふーん、景子……携帯見せろ! 」  私は素直に夫に携帯を渡した。  そうだ、見てもらえれば私が上司と自ら会いたくて会いに行って いたのではないということが分かってもらえるはず。  私は僅かばかりの期待を込めて携帯電話を夫に手渡した。     
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

241人が本棚に入れています
本棚に追加