epilogue

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「そう言う春樹こそ、どうなのよ?」 自分が聞かれると思っていなかったのか、面食らった顔をしている。 「彼女とか、いるんでしょ?」 高校当時、春樹は栗原さんと付き合っていた。 高校3年当時はインターハイと受験で忙しく、親戚の集まりは参加しなかった。 大学生になって以降、春樹は親戚の集まりに来なかった。県外の大学に進学していた。 栗原さんとその後どうなったのか、私は知らない。自分の事で精一杯だった。 「…雪乃、覚えてる?」 「栗原さん?…まだ続いてたの⁉︎すごいね!」 春樹の目が一瞬泳いだのを私は見逃さなかった。 「うん…まあ…色々あったけど…。俺、転勤になったじゃん?俺達もそろそろかなって…」 「プロポーズするの?」 人の恋愛事情は楽しい。 「ちょっと計画中」 「上手くいったら教えてね」 叔母さんにプロポーズの件を言いたくてしょうがないけど、ここは我慢よね。 互いの両親への挨拶は先日済ませた。 うちの父は普段から無口だけど更に無口になり。 優輝も優輝で緊張でガッチガチで噛むし。 私も緊張してたけど、寧ろ冷静になってずっと母と目配せしていた。 優輝のお母さんは陽気な方で。お父さんもよく喋る方で。挨拶は終始明るい雰囲気で助かった。優輝のお姉さんは見惚れるぐらいの美人で、やっぱり明るい方だ。 結婚式は互いの家族の立ち合いだけで、食事会をするだけにした。職場や友達は別日に1.5次会をすることになっている。
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