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一年経っても、二人の会話は相変わらずだった。
「お嬢様! お皿を洗ってあげましょう!!」
「結構ですわ! それぐらい一人で出来ますわ!!」
夕食の準備をしていても、やっぱり琥珀は世話を焼いてくる。
「お嬢様……立派になられまして……感動でございます、うっ」
「お、大袈裟ですわね!! 皿洗いぐらい、誰にでも出来ましてよ。」
「ところで……お夕飯は何でございましょうか」
「……来るとは思わなかったから、肉じゃが………ですわ」
「家庭的!!」
「急に来たのが悪いのですわ。」
「非難してませんよ!?」
瑠璃子は少し照れ臭そうに、ふてぶてしく言う。琥珀はただただ嬉しそうにしている。
「幼少期は外でいっぱい遊んでたヤンチャお嬢様が、こんなに家庭的になられたとは……感激です。」
「何度同じことを……えっ、私、そんなヤンチャしてましたの?」
皿を洗い終わり、タオルで両手を拭く。このタオルも、琥珀が持って行けと言われ、貰ったもの。
「そりゃしてましたよ! 本当に覚えてらっしゃらないんですね。」
「そうね……両親のことも。」
「そうでございますか。」
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