1 カプト様が落ちていた。

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 この世界では魔女様が世界にあふれる魔力を地域ごとに管理されていて、その魔力を活用してステータスカードを始めとした様々な恩恵システムをそれぞれの地域にあわせて構築している。ステータスカードは多くの魔女様が採用されている共通システムで、だいたいの国で身分証明証として使えるんだ。  それで僕の住む地域を支配する『渡り鳥と不均衡』の魔女様の領域では10歳になれば教会でステータスカードを受け取る決まりになっていた。  両手の親指と人差し指で四角を作ったくらいの小さなカードの印字を眺める。  僕のHPやMP、力や賢さなんかは普通と同じだった。あ、えと、賢さはその、ちょっと低かったけど、まあ正常の範囲だから大丈夫。  それでまあ、なんていうか、おかしかったのは耐性値。耐性というのはそのまま耐える力で、例えば毒耐性は毒を食べ続ければ上がって毒が効きにくくなる、と聞いたことがある。  僕は毒耐性、食毒耐性、麻痺耐性、死毒耐性、薬物耐性、ええと、20個くらいあったのかな、耐性がついていて、そのレベルがなんていうか、軽い毒なら毒無効レベルにまで達していた。それを見た村の皆は固まった。アハハ。 「毒と食毒って違うんだ……」 「馬鹿! お前は! 一体何を! 何をしたら! ここまで!」  僕は馬鹿なことをつぶやいてしまったけれども、みんなの目は、ああ、やっぱりな、こいつはもうどうしようもないんだ、という風に変わって、なんとなくいたたまれなくなってきた。テヘ。
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