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ビル・テイラーは22歳で死刑囚になった。
2年前の20歳のときだった。相棒のウィザーズとともに銀行強盗をはたらき、うまくいかないと思いきや店の行員2人とその場に居合わせた2人の客を射殺。その場で警官との銃撃戦の末、逮捕され、まんまとジェイルハウス(牢屋)行き。
裁判で弁護士は「銃を乱射したのはウィザーズでありビルには情状酌量を」と訴えたが、残念。ビルの刑は『死刑』となった。
「死にたくねーよ」
刑を言い渡されたビルは、ここウィルソン州を恨んだ。残酷だということで、アメリカでも州によっては死刑制度がない州も多いのだ。
「死にたくねーよ」
「よう!ビル!死刑だって? まあ死なないように首でも鍛えておくんだな。なんでも5分、ロープに吊るされて、生きていれば刑は執行されたとみなされて生きて帰れるらしいぞ」独房に入る前、囚人仲間のジェフはビルを見てからかった。
「マジかよ」
ビルは今さらながら罪に後悔をし、生への執着を見せ始めた。
「死にたくねーよ」
ビルは毎晩、死刑台の床が外れ、自分がロープにぶらんぶらんと吊るされている夢を見ては飛び起きた。
「俺は死なない!」
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