俺、万年ヒラの天使やで!

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 とは言っても、俺、万年ヒラやけどな。俺と同い年の天使達は皆、それなりに出世してんねんけど、俺はサッパリや。まあ、理由は分かってんねんけど。  天国には毎日大量の亡者達が来るから、この仕事って効率よくするのが大事やねん。せやないと後ろがつっかえてしまうやろう? やから本来は、毎日百人もの亡者をお迎えするのがノルマになってんねん。  せやけど、俺には無理やわ。だって、来た人がどんな人生歩んできたか、めっちゃ気になんねんもん。だから、ついつい亡者一人一人の話を聞いてる内に、時間が過ぎてまうねん。お陰様で、俺の平均出迎え人数はたったの二人や! ノルマの五十分の一! 凄いやろ?  まあ、これじゃあ出世できまへんな。
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