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「ただいま」
「おかえり。今日は遅かったな」
「ああ」
接待でもあったのだろうか。奏斗が愛想良く相手をする姿など想像できないが、今日は一段とお疲れのようだ。
コートや鞄を置くと、さっさといつものルーティンに入る。
雪哉も、その間に寝てしまったことにするため、自分の部屋に入った。
電気も消して、布団に入る。そして、耳を澄ませて奏斗の行動を探る。
あ、今風呂から出た。そして、髪を乾かして……聞こえなくなった。あ、わずかだけど足音が聞こえた気がする。たぶん寝室に入ったな、というところで雪哉は体を起こした。
奏斗がどれほどで寝付くタイプなのかわからないが、少し時間が経った後、雪哉は作戦を決行することにした。
ゆっくり、音をたてないように自分の部屋の扉を開ける。そして、廊下に出ると、今度はまたゆっくり閉める。奏斗の寝室は、雪哉の部屋からは奥にあり、少し遠いが忍足でそこまで歩みを進めた。
着いたところでゆっくり奏斗のいる寝室の扉を開けると、真っ暗だった。
ここからが重要である。
真っ暗すぎて寝ているのかわからなかったが、かすかに聞こえる寝息。たぶんぐっすりだ。
雪哉は、失礼しまーす……と心の中で言って、布団に足の方から潜り込んだ。
何をするつもりかって? さすがにわかっただろう。夜這いだよ夜這い。かつての飼い主はこれをするとすごく喜んだ。男のロマンってやつだろうか。
息苦しい布団の中で、目的の場所にたどり着く。脱がしやすいスウェットだったから、そのまま前のままおろした。暗いせいで何も見えないが、下着の上からそうっとそこに触れる。
……でかいな。
勃ってなくてこれか? もう少し解した方がよかったかもしれない。
とりあえず、下着の上からやわやわと刺激を与えてみる。しばらくすると、少し勃ってきた。よかった、不能じゃなくて。
そのまま下着もおろしてしまうと、見えないのでさぐりさぐりで一度それに口付けた。完璧に場所や形を把握すると、今度は一気に口に含む。その疲れ、癒してやるよという気持ちで。
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