1. 大当たりか大外れか

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 男は勘違いだったことに呆れるようにため息をついた。 「あー、じゃあもしかして邪魔した?」 「いや、やっぱりやめようと思ってたからいいけど」 「そう。まあ、俺も見えて仕方なくやっただけだから」  ……結構ぶっちゃける。好青年ぽいのはぽいだけで、全然愛想はよくない。だけど、それなら納得だ。  捨て猫を見つけてしまって、無視することもできず拾ってしまった、というのと似たようなものか。そう変換すると結構優しいというか、面倒見がいいのではと思ってしまう。  泊まる家を探していると言った俺をここまで連れてきたのも、あそこから逃げるための口実だと思って合わせたというわけだ。  なるほどなるほど……  って、まずい、今度こそ会話が終わる。このまま別れたらこの寒い中また寝床探しだ。すぐ見つかるとしても、もう一秒も外にいたくない早くあったかいベッドで寝たい。  雪哉がよく知っている興味のなさそうな目は気に入らないが、これしきのことでこの良物件を逃してたまるか。 「あ、でも、今日泊まる場所がないのは本当で────」 「……じゃあ、うちに泊まる?」  表情も変えず、思いのほかすぐにレスポンスがくる。  お? そこまで面倒を見るのは嫌がりそうだと思ったが。いや、嫌がってはいるか。  その反応はいただけないにしても、ここはぐっと堪えるしかない。野宿だけは勘弁だ。  会ったばかりとはいえ、興味なさげなのは不満だが、ないものは持たせればいいだけ。俺はもうそれを知っているし、すべを持っている。  それに、さっきのハッテン場のことを聞いた時の反応。男同士に抵抗はないとみた。  どちらにせよ、こっちについてきたのはやはり正解だったかもしれない。
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