花のうてな 8

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ビクビクッと身体が大きく痙攣する。 シーツから背中を浮き上がらせたその直後、升麻は自分が絶頂した事を理解した。 「はぁっ…はぁっ…」 生理現象で何度か自慰はした事があるが、頭が飛ぶような感覚でイッたのは初めてで。 性には淡白だと思っていた自分がこんな風に乱れる事ができるのにも驚きだった。 吐精後の凄まじい余韻に肩で息をしていると、中を蹂躙していた指がズルリと引き抜かれる。 初めは違和感かしなかったのに、今は抜かれると寂しい。 すると、舛花は升麻を布団の上でコロリと転がしうつ伏せにさせた。 膝を曲げ四つ這いにさせると、さっきまで指を埋めていた場所を暴くようにグイと尻臀を広げられる。 「わっ…!?な…なんで後ろ…?」 衣擦れの後、何かを塗りこめるグチュグチュと立つ音に、升麻は恐る恐る訊ねた。 「後ろからのが負担が少ないからな。しんどかったら言えよ?」 覆いかぶさってきた舛花の低い声は艶っぽく、たちまち升麻の鼓膜を蕩かせる。 荒く吐かれた息とともにヌルっとした感触が双丘に押し当てられた。 舛花の肉棒は熱く、思っていたより遥かに太くて長い。 こんなの本当に入るのか?と危機すら感じてしまうほどだ。 それに加えてまださっきのイッた感覚が残ったまま。 このまま挿入されたら自分がどうなってしまうかわからない。 「やっ…待って…まだ…」 升麻は思わず逃げ腰になってしまう。 だが、舛花はそれを阻止する様に腰を掴むとガッチリと固定してきた。 「ほら、力抜けって、大丈夫だから」 グプ…と卑猥な音がして長大なものが襞を押し広げてくる。 升麻は唇を噛むと眉を寄せた。 「あっ…んくっ…んんっ…」 まだ入り口付近だとはわかっているが既に白旗を上げてしまいそうだ。 「升麻…いい子だから力抜けって…な?」 そんな升麻を宥めるように、舛花が背中に口づけてくる。 「じゃあ…ま、前からして」 升麻は振り向くと訴えた。 「そんな事したらお前に負担が…」 「いい、痛くてもいいから前からがいい」 「全く…お前どれだけ俺を煽るつもりだよ」 小さく舌打ちをして舛花は再び升麻を転がす。 そして、いつになく切羽詰まったような険しい顔で升麻を見下ろしてきた。 「大事にしたいって言ってるだろ」 「だって…ちゃんと覚えておきたいから。今日のこと…」 「ばか…縁起でもねぇこと言うなよ」 舛花はそう言うと、噛みつくように升麻の唇を塞いだ。 「ん…っんっ…はぁっ…」 絡みつく舌と唾液。 深く濃厚な口づけに夢中になって応えていると、両足の間に舛花の身体が割り込んできた。 ヒクヒクと収縮する後孔に灼熱の楔がぴたりと当てられる。 さっきは入り口付近で止まった肉棒が今度はゆっくりと奥を目指して潜り込んできた。 凄まじい圧迫感。 だが、それよりも舛花とひとつになれる多幸感で胸がいっぱいになった。
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