4人が本棚に入れています
本棚に追加
長年の付き合いで何かを察したのか、シャロンは抱き締め返してくれた。
それから、何も言わずに頭をなでてくれた。
彼女の体温は暖かくて、少しずつ不安な気持ちが薄らいでいく。
シャロンのこういうところが好きだなといつも思う。
俺が不安な時は存分に甘やかしてくれるのだ。
「エフィ様、そろそろお茶菓子でも頂きませんか?ハワードが淹れてくれた紅茶も冷め切ってしまいますし…。」
「うん、ありがとう。」
五分ぐらい撫でてもらって、嫌な汗も引いて落ち着いた。
ハワードというのは、さっきのいつも対応してくれる使用人もといシャロン専属の執事だ。
彼は還暦をとうに越えているはずなのに、気がついたらいるし、気がついたらいないし、神出鬼没というか、謎多き人物である。
現におそらくシャロンが入ってきた後ぐらいからいないしね。
「レーズンサンドとチーズケーキ、どちらから召し上がりますか?」
キラキラとした目で見つめてくるシャロンは可愛いが、あと2時間もすればランチの時間だ。
彼女の言葉からして、2つとも食べるつもりのようだがこの後のランチはお腹に入るのだろうか。
というかもっと軽いお菓子を用意してくれてもいいんじゃないかと思った。
最初のコメントを投稿しよう!