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「こっちの方が小さいし、チーズケーキかな。」
「はい!」
るんるんと効果音が付きそうなくらいご機嫌に、5cmくらいのチーズケーキを小皿に取り分けてくれた。
ついでにポットに残っている紅茶をカップに注ぎ足してくれた。
お礼を言って、フォークで一口食べると、ふんわり香るチーズとさっぱりとした甘さと共にしゅわしゅわと消えてしまった。
ただ土台はタルト生地のようで、しっとりしつつサクサクとしていて食べごたえがあった。
「美味しいね。」
「はい!スフレのようにすぐ溶けてしまって、幾らでも食べられそうです…!」
幸せそうに笑う彼女につられて俺の表情筋も緩む。
あまり緩みすぎると、シャロンにだらしのない顔と怒られるので、緩みすぎないように気をつける。
しかし、自分の心の整理のためにも、彼女への忠告としてもあの悪夢のような予知夢の話をしておこうか。
チーズケーキを食べ終わったのを確認して、慎重に話を始めた。
「…あのね、シャロン。今日予知夢を見たんだ。」
「予知夢、ですか。」
カップをソーサーに戻し、聞く姿勢になったのを見て続きを話す。
軽い話では無いことを悟っているのか、彼女は姿勢を正した。
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