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「少し大人になったシャロンが変な女にいじめられて、その、死んじゃう夢だった。」
「えっ…。」
「それでね、2つ気になることがあって。1つはシャロンがゲームを降りたこと。」
そう言うと彼女は眉間に皺を寄せ、頬を膨らませる。
私そんなことしませんけど!といった感じに不服そうだ。
「2つ目はね婚約してたんだよ、俺たち。」
今度はきょとんとした顔に変わる。
しかし、すぐにさっきの不服そうな顔に戻ってしまい、
「私の死より婚約ですか…。」
と拗ねている。
まあ、命は大切だけどいつか亡くなってしまうものだから、そこまで気にしてはいない。
それに物理的な理由で死亡したようだったから、あの後シャロンに付きまとっていれば解決できるだろう。
「当然だろ?今の恋人じゃなくて婚約者だったんだよ。」
「少し未来のことでしたら、順当に関係が進展していてもおかしくないと思いますよ?」
シャロンは何でもないことのように、顔色一つ変えず小首をかしげて見せる。
彼女にとって結婚ということは大したことじゃないのだろうか。
俺にとっては夢のような出来事で、結婚記念日は国民総出で盛大に祝ってやりたいぐらいだ。
恐らくシャロンに怒られるのでやらないけど。
王族である以上、将来誰と結婚させられるかわからない。
最愛の人であるシャロンと結婚できるということが、何より重要なのだ。
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