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「シャロンは俺と結婚するの嫌?それともなんとも思わない?」
「!?そんなことありません!!で、でも、予知夢でしたら政略結婚のためかも知れないでしょう…?」
エフィ様だって望まれてないかもしれない…と彼女はうつむき、声はどんどん小さくなっていく。
要するに俺みたいに過程を想像して浮かれたりせず、ただ一つの事実として受け止めていただけだったのだ。
夢で見ただけで浮かれるなんて、しかも本人の前で恥ずかしい。
「政略結婚か、さすがに…」
「お父様が無理矢理決めたとか!エフィ様の恋心を利用してとか!」
シャロンはきっかけになりそうなことを並べているが、政略結婚など了承しないと信じたい。
そうだ、自分の性格を考えたら…了承するよなぁ。
シャロンと結婚できるなら、むしろ自分から仕掛けてそうだ。
「…もしかして、当たってました?」
「いや、何でもない。まあ、そうならないようにしとくよ…。」
「本当に好きな人と結婚できるといいですね。」
俺を見て、頬を赤らめながら幸せそうに笑う。
これって期待してもいいってこと?
それとも王子としての俺に対してのお世辞なんだろうか。
「…好きだよ、シャロン。」
そう言って、手の甲に口付ける。
この言葉が嘘じゃないということが伝わるように、強く祈りながら。
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