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「きゃっ!」
「わっ!?どうした!」
パッと汐里の背中に手を回して支え、樹は自分の方へ汐里を引き寄せた。
道のど真ん中で、汐里は樹にぎゅーっと抱きついている状態になっている。
勢い余ってサンダルが片足脱げて遠くまで飛んでいってしまった。
「しおりん、大丈夫か?」
「うん、ごめんなさい!は、恥ずかしい!!」
人が多く行き交うところで樹に思いっきり抱きついている自分。
じろじろ見られて顔が真っ赤だ。
片足でぴょんぴょんしながら汐里は飛んでいったサンダルを拾って履き直した。
「ボーッとしてるからだぞ」
「だって……樹くんがカッコ良くて見とれてたんだもん」
「えっ!?……そんなことで怪我されたらオレ困るよ……」
顔を赤らめた樹が戸惑いながら言った。
もう一度二人は手を繋ぎ直した。
お互い、恥ずかしさで手が少し汗ばんできた。
目的地であるカフェはもうすぐ目の前だ。
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