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幕間
昨日のこと。お后様の部屋に、二人の少女がいた。
「鏡よ鏡、鏡さん。少し、よろしいでしょうか?」
「いかがされましたか、お嬢さんたち」
「実はね――――ということなのよ。そのときにはね、ぜひ、『白雪』と答えていただけないかしら。それから、白雪の部屋を映していただいて」
「承知いたしました。お安い御用でございます」
「まあ、ありがとう。頼んだわよ」
お后様の部屋から出た二人は、笑みを浮かべた。
「あの子、白雪しか友達がいないんですものね。それに裏切られたと知ったら……ああ! どんな気持ちになるのでしょうね。ふっ、ふふっ、ああ愉快ですわっ!」
「真実の鏡から告げられるのは、もちろん真実の言葉。否定しようにもできないんですからね。ふふっ、これで清々しますわ。ああ、次は変装の用意をしませんと」
二人はお后様の部屋から出ていった。
「――ええ。ちょうどいいですね」
にも関わらず、鏡の話す声が聞こえた。
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