送りオオカミⅠ

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ああ、ああ、おめえ()!っちゅうてや、 わ、こいつさ騙されでらったんだって思って、 んだから、そのキツネば追っか()にゃまいねって、 一歩踏み出したんだ。 そったら、その瞬間よ、 バッシャーン!! って、どっかの水の(なが)さ落ちてまってや。 この辺水ったら海しかねえのよ、 んだから、知らねえ間に海の方さ()()、 まんまと化()され()やんのな。 今()ら見ればや、ただの笑い話だけんども、 そんときもう、どうせばいんだかわ()んねえはんで、 とにかくとにかく、もがいでらったんだ。 そのときよ、首根っこ誰かさ掴まれたんだ、 んだけど、人間でねえってすぐわ()ったさ。 んだってよ、首さ、とんがった鼻ば当たって、こしょばくてしゃあねがったはんで。
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